湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

健康観察と通院と専務が追ってくる話

今日の健康観察日記

 

昨日の外出の疲労が全く抜けない状態で朝6時起床。なんとかお弁当作って末っ子に持たせて、二度寝

 

10時過ぎに起きだして、なんとか着替えて、お腹にものを入れてから、精神科外来&カウンセリングへ。

 

今日は外来がすごく混んでいて、予約時間を一時間すぎるほど待つことになったけど、本を読んでいたので、とくに長く待ったとも思わなかった。ただ、座っていると足が冷えて、ちょっとつらかった。

 

全部終わって帰ろうとしたら、左足の親指にピンポイントで激痛が走った。膝も痛いけど、それとは比べものにならない痛み。しばらく待合室に座って、痛みが落ち着くのを待ってから帰宅。

 

その後、痛みはぶり返していない。なんだったんだか。冷えたからかな。

 

 

読書

 

待合室でちょっと読んでいた本。

 

 

短歌の世界 (岩波新書)

短歌の世界 (岩波新書)

 

 

電子本ではなく、紙の本。ずいぶん前に買ったもの。

 

短歌がこれまでなんども存亡の危機に見舞われてきた(滅亡を危惧された)詩形であり、古代には漢詩に、近代には西洋の自由詩に、主役の座を奪われながら、それでも残ってきたものであるという話。

 

それから、上田三四二の「短歌は日本語の底荷」であるということにも触れられていた。

 

上田三四二の、その言葉が出てくる本を読んだのも、もうずいぶんまえのことだ。

 

たぶん、この本だったと思うんだけど、記憶に自信がない。

 

短歌一生―物に到るこころ (講談社学術文庫)

短歌一生―物に到るこころ (講談社学術文庫)

 

 

 

家にあるとしても、どこにあるやら。東北の震災でぐっちゃぐちゃになったあと、本をずいぶん処分して、置き場所も変わってしまって、もう自分でも分からない。

気長に探すしかない。

 

 

 ADHD

 

うつ病の治療を初めて、そろそろ半年になる。

投薬のおかげで、小康を保って過ごしているけれど、素でよくなってきたという感じもイマイチ持てない。とくにこの数週間は、よくなかった。

 

診てもらっている先生に、最近の体調悪化の話などをしたら、この際ADHDの治療薬を試してみてはどうかと提案された。

 

鬱になっている原因が、ADHDに由来する暮らしにくさやストレスであるなら、そこを動かさないと、解決にはならないのではないかという、もっともな理由からのオススメだけれど、どんなものかと考え込んでいる。

いま、かなりラクをさせてもらっている。
負担になるような予定や行動は極力減らしているし。

ただ、ラクしていることの負い目もあって、それ自体が相当なストレスでもある。贅沢な話だけど、感じ方までコントロールはできない。


ADHDの治療薬といえば、ストラテラコンサータだろうか。

それで現状が改善するならと、思わなくもない。

でも、現時点で、かなりの量の投薬を受けている。
(甲状腺ホルモン・女性ホルモン・抗鬱剤睡眠導入剤・その他)

これ以上、通う病院と飲む薬が増えるのも・・・・・通院忘れと飲み忘れを管理する手間を考えると、頭痛がしてくる。まあそういうところも、ADHDの治療薬で改善するのかもしれないけども。


やっぱり、億劫さのほうが上回りそう。
新しいことをやりたいと思わないのは、鬱の影響もあろうか。

なんにせよ、次の外来まで、よく考えてみる。

 

 

ラノベ

病院の待合室で気分が鬱鬱としてきたので(鬱で通院してるんだから仕方が無い)、短歌の本を途中でやめて、Kindleの読み放題のリストのなかから、タイトルに目を引かれたラノベを選んで読んでみた。

 

坂井志織「専務が私を追ってくる!」

 

専務が私を追ってくる! (ベリーズ文庫)

専務が私を追ってくる! (ベリーズ文庫)

 

 

すごいタイトルだ。

具体的な状況が思い浮かばない。

会社の中で専務と女子社員がパックマンのような状況になっているのか。

 

 


Pac-Man Intermission Extended

 

目次を見たら、もっと分からなくなった。

 

第一話 東から西へ追ってくる
第二話 車に乗って追ってくる
第三話 買い物してても追ってくる
第四話 西から東へ追ってくる
第五話 子猫を連れて追ってくる
第六話 家の中でも追ってくる
第七話 母と私を追ってくる
第八話 半端な位置まで追ってくる
第九話 言い訳しなが追ってくる
最終話 専務が私を捕まえる

 

ホラーか?

ホラーなのか?

専務は妖怪テケテケか?

(って書いてから、妖怪テケテケをウィキで調べて気持ち悪くなった…)

 

最後捕まってるし。

一体何があったのか。

 

って、しっかり釣られて読んでしまった。

 

専務は妖怪でもストーカーでもなく、一途に恋する社長の息子というだけだった。

(もちろんイケメンで有能という属性もあるけど、それはお約束だからどうでもいい)

 

ヒロインのほうが、だいぶ特徴的だった。

 

この種類のラノベを結構読んできて、物語世界の中の「女性秘書」という種族が、厳然たる女社会の階層構造にがんじがらめにされていて、その中でより上位にあがるために日々他者を蹴落とすためにどす黒い陰謀にみちた研鑽に余念が無い人々という、ものすごい偏見が植え付けられてしまったけれど、ヒロインはまさにそのヒエラルヒーの頂点にいた、つまりとんでもなく腹黒くて打算的で高慢な、要するに性格がものすごく悪い女性であったらしい。

 

ヒロインは、その性格のために彼氏に捨てられたことから、虚飾に満ちた我が身を振り返って愕然とし、東京での華やかな秘書の仕事をきっぱりと辞めて、九州に引っ越しをする。そこには亡き祖母が残した古い家があるので、それを継いで新しい仕事を探し、自分を変えようとしたのだった。

 

隙のないメイクとブランド物で固めることをやめて、自然なメイクと質素な服を身につけ、謙虚に仕事に向き合う日々。恋愛禁止。外食禁止。あらゆる虚飾厳禁

 

ところが、彼女が東京を去る前夜、行きつけのバーでたまたま知り合って一夜を過ごし、はかない恋心を抱いた男性が、再就職した九州の会社の社長の息子であることが判明してしまう。彼はヒロインが行き先も素性も告げずに東京を去ったあと、東京での仕事をやめて親の会社を継ぐために転職したのだった。

 

つまり、専務は意図せずに「東から西へと」ヒロインを追ってきてしまったのだった。

 

すっかり地味になり、ダサい眼鏡までかけているヒロインが、東京で知り合った女性だということに、専務は最初気づかない。しかも専務は、その東京の女性に再会したくて、二人が出会ったバーに何度も通っているという。けれども専務は地味なヒロインにも引かれていて、やたらと追いかけてくる。やがて、ヒロインが東京の女性だと分かってからは、あらゆる手を使って追いかけ回しはじめる。

 

専務、ほんとにパックマンみたいなことをやっていた。(゚д゚)

 

けれどもお話の面白さは、恋愛そのものよりも、ヒロインの心の成長のほうにあったと思う。虚飾に満ちた世界でむなしい勝者たらんとしてきた彼女の高慢さは、大事な人を守るためにどんな相手とも戦うことのできる強さに変わった。そこがすがすがしくて、楽しかった。