湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

変態侯爵と橋本治と釈然としない恋愛小説の話

今日のAmazon

 

だからどうして私にこういう本をオススメするのか、Amazonは。

 

 

変態侯爵の理想の奥様 (ソーニャ文庫)

変態侯爵の理想の奥様 (ソーニャ文庫)

 

 

 

変態侯爵って……どんなのよ。(´・ω・`)

 

私の読書傾向から、どうしてこういう本が割り出されてくるのか。ちなみに今読んでる本って、これよ。

 

 

いつまでも若いと思うなよ (新潮新書)

いつまでも若いと思うなよ (新潮新書)

 

 

橋本治を読むと怪しい本をオススメされる仕組みなのか。

 

こないだ勧められた「鳩の王」(命を助けられた鳩がスーパーダーリンになって恩返しするというBL漫画らしい。いまのところ誘惑を跳ね返せているため、未読)にもたじろいだけど、変態侯爵に比べたらだいぶ平和だった。鳩だし。

 

きっぱり言うが、変態には特に興味はない。

断じて読むつもりはない。

 

 

……無料お試し版以外は。

 

 

冒頭だけ(無料)ちらっと盗み見してみた。

 

侯爵様が、奥手な奥方様を外の明るいうちから執拗に溺愛する有様が述べられていた。なんか、異様に子供を欲しがっている男性らしく、奥方様は困り果てている。大急ぎで世継ぎがほしいとか、そういう事情なんだろうか。

 

お試し版では、どのあたりが変態なのかよくわからない。でもタイトルにされるくらいなんだから変態なんだろう。レビュー書いてる方々も、「引く」ほど変態だとおっしゃっている。なんなんだ。知りたくなっちゃうじゃないか!

 

お願いだからAmazonはこういう謎を私にチラつかせないでもらいたい。不眠の夜とかに、魔が差して買ってしまいそうで危ない。

 

 

 

Amazonの罠

 

 

いかに趣味の範囲外でも、オススメされた本がKindleの読み放題(いくら読んでも定額)だったりすると、もうどうしようもない。

 

 

このあいだ、これ、うっかり読んでしまった。

 

 

蜜色オフィス 【ベリーズ文庫版】

蜜色オフィス 【ベリーズ文庫版】

 

 

若い女性向けの恋愛小説なんだと思う。

(とくに変態性はなかった。非常識ではあったけど)

 

素直で健気だけど他人に流されやすいところのあるOLの早川が、強引でイケメンで女癖の悪い同僚の沖田に交際を申し込まれ、よく知らないひとだから断ったのに、「お試しでいいから」と押し切られ、付き合うことになってしまう。ところが沖田は早川のことなど好きでもなんでもなくて、自分がライバル視している宮坂の想い人だというだけで、横取りしようとしたのだった。

 

事情を察したOL仲間が早川を沖田の魔の手から救うべく、沖田よりずっと仕事ができて、なおかつストイックでイケメンで一途に密かに早川を想い続けていた宮坂とくっつけようと画策するのだけど、そのやり方というのが、早川を泥酔させて宮坂の一人暮らしの自宅に運び込むという、トンデモな手段だったため、事態は大きく宮坂寄りに動き出したものの、早川本人の自由意志とか基本的人権とかは吹けば飛ぶような有様となる。

 

最終的に早川が宮坂に恋するようになったからよかったものの、そうじゃなかったら、目も当てられない話だった。

 

でもこの物語で強く印象にのこるのは、二人の恋愛成就ではなくて、沖田の驚くべきシツコさだった。ただただ宮坂を陥れ、失恋させて傷つけるためだけに、騙されやすい早川に陰謀の波状攻撃をしかけるのである。

 

早川に、自分と付き合わなければ社長に言って宮坂をクビにすると脅す沖田。

 

それに失敗すると、今度は宮坂の不都合な個人情報をバラされたくなければ宮坂と別れろと、早川に強要する沖田。

 

結局全部社長(実は沖田と宮坂の実父)にバレて、沖田の陰謀は完全に潰えるのだけど、それでも懲りた様子もなく、物語は早川と宮坂のハッピーエンドで終わってしまう。

 

ラストのあたりで、沖田の生い立ちによるトラウマ(離婚した両親に愛されず、成り行きで捨てられ続けた子供だった)と、宮坂を嫉妬する事情が明かされたけれども、彼の問題は何も解決しないままだった。私としては、親に愛されて育った腹違いの弟を本気で潰そうとするような、心貧しい沖田のその後がとても気になる。社長が育ててやれなかった過去を責任持って償うと言っていたけど、なんだか心もとない話だ。沖田よりも宮坂を可愛がってるのは誰の目にも明らかなわけだし。今度は父親の愛情を試そうとして、まだまだ騒ぎを起こしそうな予感しかしない。

 

というふうに、変な具合にハマってしまうから、Amazonのオススメは困るのだ。

 

 

 

橋本治の続き、読もう。(´・ω・`)