湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

今朝の健康観察と映画観賞

今朝の健康観察

 

ちょっと動くと動悸がして苦しい。

ほんとに体力おちちゃっているのを痛感する。

トイレ掃除と古新聞をまとめて縛っただけで、ヨレヨレ。なんだかな。

 

ちょっとずつ体力取り戻さないと。

 

 

映画

 

「コングレス未来会議」を見た。

 

 

コングレス未来学会議 [DVD]

コングレス未来学会議 [DVD]

 

 

イスラエル、ドイツ、ポーランドルクセンブルク、フランス、ベルギーの合作なのだそう。

 

 原作はスタニスワフ・レムの「泰平ヨンの未来会議」。SF小説

 

 

 

 

シリーズだろうか、似た名前の作品もある。

 

 

泰平ヨンの航星日記〔改訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF レ 1-11)

泰平ヨンの航星日記〔改訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF レ 1-11)

 

 

 

そのうち読もうと思っている。泰平ヨンって、なんなんだろう。気になる。

 

とにかくブラックな近未来SFだった。

 

映画の公式サイト

映画『コングレス未来学会議』公式サイト

 

 

旬を過ぎて久しい44歳の女優、ロビン・ライト(本人役)のもとに、自身のキャラクターをデータ化して、半永久的に映像作品に使う契約の打診がある。莫大なギャラと引き換えに、女優は二度と生身で演技しないことが求められる。キアヌ・リーブスも、ミラマウント社と同じ契約を結んだとも聞かされる。

 

 

女優は迷ったけれども、アッシャー症候群という難病で視覚と聴覚を失う寸前の息子の介護のために、契約を結ぶ決意をする。

 

 

それから20年後、女優のデータは、とんでもないSF映画のスーパーヒロインとして名声を得ていた。データは老いとは無縁だけれど、女優自身は60代に入り、魅力的ながらも老いゆく肉体と共に生きていた。

 

そんな女優のもとに、データを売り渡したミラマウント社から、とある会議に出席するようにと招待される。女優は息子を家に残して会議に向かう。

 

未来のハリウッドは、特殊な薬剤によって脳の現実認知能力を操作し、あらゆる現実をアニメ化して脳に投影し、その人が望む理想の世界の中に生きているかのような幻覚をもたらす技術を実現していた。ハリウッドに入る前のゲートで、女優は薬剤を使うように指示され、まるで手塚治虫の世界のような奇妙なアニメ空間のなかに取り込まれていく。

 

 

女優が呼ばれた会議は、そのような技術を、ハリウッドの外の世界でも自由に使える時代がきたことを、ミラマウント社が宣言するものだった。また会社は、女優のデータを誰もが脳内で自由に「使える」ようにする、新たな契約を結ぶようにと強要してきた。その契約を結べば、女優のデータはスクリーンの中でいいように演じさせられる人形であるだけでなく、ありとあらゆる人間の妄想の道具として売買され、使われるようになるのだ。

 

女優は会議のスピーチで、こんな愚かなことに先端技術を使うのではなく、難病などで苦しむ人のために何かをしたらどうかと語る。その途端、会場が反ハリウッドのテロリストに襲われ、ミラマウント・ナガサキ社の重要人物(和服を着ている)が狙撃されるけれども、全てはアニメ化された非現実として表現されるため、本当に何が起きているのか、さっぱりわからない。

 

悪魔の陰謀のような出来事を経たのち、女優はアニメ世界のなかで、アニメにしか見えない医師たちによって回復困難な中毒患者と診断され、長期間のコールドスリープの処置を受ける。

 

その後、コールドスリープから目覚めた女優は、彼女を慕う人物の手助けで、アニメの世界から現実をありのままに認識する元の世界へと戻ってきた。最愛の息子と再会するために。

 

けれども、正気に戻った脳がとらえた現実は、途方もなく悲惨な状況となっていた。

 

アニメの世界で思うままに理想の容姿を得て、荒唐無稽な生活を送っている人々は、現実には、虚ろな顔でボロ布を纏ってさまよう、惨めな存在でしかなかった。

 

映画では詳しく語られていないけれども、彼らはおそらく現実の肉体が野垂れ死ぬまで、そうとも知らずに妄想のなかに在り続けるのだろうと思われる。その姿は、ネトゲにハマって引きこもり、挙句に病死する人のそれに、重なるようでもあった。

 

女優が眠っていた十数年の間、主治医の保護のもと、一人で待ち続けていた息子は、孤独に耐えかねて、ハリウッドの薬剤によって、幻想の世界へと移り住んでしまった。こともあろうに、それを勧めたのは主治医だった。そして主治医は、息子との再会の希望を断たれた女優にも、再びアニメ幻想の世界に戻ることを勧め、薬剤を用意する。

 

 

……

 

 

楽しくはないけど、面白い映画だった。

 

ただ、人々が惑溺するアニメの世界が、私には全く魅力的ではなかった。手塚治虫とディズニーアニメが入り混じったような(いささか古くさい印象の)幻想世界に、人生かけて入り込みたいとは思わない。「魔法使いの嫁」みたいなアニメ世界だったら、ちょっと悩むかもしれない。

 

この映画、日本人が作ったら、まるで別物になったのじゃなかろうか。