湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

映画とアニメと健康観察

 

夜の健康観察

 

やっとおさまった、と思ったら、また出てくる咳。

もう一ヶ月くらい、断続的にゲホゲホしている。

いや、ケホケホか。軽い咳なのだ。湿り気はない。

横になってると出ないのに、立ち働いたり喋ったりしてると、でる。咳止めを飲むと、わりと止まる。

 

全身的な疲労感は、少しづつ薄れてる気がするから、あと少しかな。

 

 

 

映画

 

「シリアの花嫁」という映画を見た。

 

 

シリアの花嫁(字幕版)
 

 

 

イスラエルの占領下にあるゴラン高原の村に住む女性が、親戚筋であるシリアの男性と結婚しようとするのだけど、トラブルで手続きが進まず、国境を越えることができない。その結婚式当日の出来事のなかに、花嫁の一族が抱える、ありとあらゆる分断と断絶が描きだされていく。

 

まず、政治的な分断。

村の住民たちにはイスラエル国籍がなく、無国籍という扱いになっている。彼らのほとんどは親シリア派であり、イスラエル政府とは敵対している。花嫁の許嫁はシリア在住で、イスラエルに来ることはできない。花嫁はひとたびシリアに入って嫁いでしまえば、シリア国籍が確定し、二度と両親の家に戻ることができない。里帰りも出戻りも不可能なのだ。

政治的な分断は、家族の間にも亀裂をもたらしている。花嫁の父親は、反イスラエル的な活動をしたことで、投獄されていたことがあった。娘たち、特に花嫁の姉は父親を愛しながらも、家族よりも政治運動を優先しようとする父親の生き方に、許せない思いも抱いている。

 

また花嫁の姪は、イスラエル政府に内通したことのある青年と恋愛関係にあるけれど、そのことを自分の父親に知られ、ひどく叱責されて傷つく。

 

宗教的分断もある。

花嫁の兄は、異教徒であるロシア人女性と結婚したために、村の長老たちに憎まれ、村八分状態になっている。兄は妹の結婚式のために8年ぶりに帰省してきたけれど、長老たちの意向を恐れる父親は、息子と口をきこうともしない。また、一緒に来たロシア人の嫁も、村の年配の女性たちに散々に中傷される。

 

男女の間にも深い断絶がある。

国籍はなくても村人にはパスポートが発行されるようで、花嫁の兄弟たちは海外で仕事をし、学んでいる。けれども花嫁の姉は、たった一度会っただけの男性との結婚を決められ、望んでいた大学進学も果たせないまま、村に閉じ込められている。姉の夫は、妻の個性や意志を認めず、自分の体面のためにコントロールしようとするばかりで、話し合いにもならない。

 

花嫁の父親も、姪の父親も、本当は家族を大切に思う気持ちがあるのに、村社会の中で立場を失いたくない思いも強く、内面が引き裂かれてしまっているのだ。

 

 こんな分断や断絶だらけの状況下で、国境を越えて、一度も会ったことがない男性と結婚しようとしている花嫁の心は、不安ばかりが膨らんでいく。

 

 

シリア側の花婿一族と、イスラエル側の花嫁一族が、国境の柵を挟んで向き合い続ける間にも、あらゆる分断や断絶が、人々を翻弄し続ける。

 

結局、花嫁の国境越えは許可されないまま、映画は終わってしまう。

 

けれども花嫁は、国境警備の隙をついて、たった一人でイスラエル側の柵を出て、決然とした笑みを浮かべてシリア国境へと歩いていく。

 

花嫁は、国境を越えられないことを理由に、不安な結婚を諦めることもできたはずだ。けれども彼女はそうしなかった。国境で足止めされている間に、自分や家族を引き裂くものを見据えて、それに振り回されずに自ら人生を選び取る覚悟を決めたのだと思う。彼女がその後どうなったのかは分からないけれども、悔いを残すことだけは、なかったのではないかと思われる。

 

よい映画だったと思う。

 

それにしても、イスラエルの風景というのは、石だらけの荒地ばかりなんだろうか。こないだ見た「迷子の警察音楽隊」でも、そんな光景が印象的だった。

 

アニメ

 

舟を編む」のアニメ版を見始めた。

 

 

茫洋

茫洋

 

 

すでに 小説、実写版映画、コミックを制覇していて、それぞれが面白かった。

 

アニメ版は、それらとはまた違った面白さがあるように思う。馬締くんは、映画やコミックよりも、だいぶ風采が上がっている。

 

と書いて思ったけど、「風采」って、「上がらない」ものであることがほとんどじゃなかろうか。「風采が上がる(上がった)」「風采が下がる」の用例を見た覚えがない。「風采が上がらない」というのは、見てくれが良くない状態で停滞、安定していることだろうから、「ダサい」「パッとしない」なんかに近そうだ。

 

良い方に、あるいは悪い方に変化する風采の用例、探せばあるだろうか。今度探してみよう。