湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

イスラエルの映画

 

映画

 

イスラエルの映画をみた。

 

 

 

カンヌ映画祭で「一目惚れ賞」というのを受賞した作品だそうだ。

 

タイトル通り、警察音楽隊が迷子になっている。

 

彼らはアレクサンドリア警察の音楽隊なのだけど、演奏旅行に呼ばれてやってきたイスラエルで、案内人もなく放り出されてしまう。

 

音楽隊といっても少人数で、雰囲気はなんだかクレージーキャッツみたいだ。ただ、ハナ肇よりも渋面の頑固な老隊長と、若くてチャラい植木等みたいな隊員とは、親子ほど年齢が離れていて、折り合いもよくない。

 

大使館の世話になりたくないという老隊長の意地のせいで、一行は仕方なく現地の路線バスに乗って目的地を目指したけれども、地名を間違えたせいで、まるで見当違いの場所に運ばれてしまう。そこは石ころだらけの荒地のど真ん中に、背の低い集合住宅が規則正しく並んでいるだけの、恐ろしく殺風景な町だった。

 

その町で、エジプトの警察音楽隊の隊員たちは、何人かのイスラエル人と知り合い、たった一晩だけ、お互いの人生を交差させることになる。

 

起こる出来事は、ほんとうに何ということもない、些細なことばっかりだ。音楽隊はアラビア語イスラエルの人たちはヘブライ語で、お互いの言葉がわからないから、会話には英語が使われている。

 

国も育ちもまるで違う人々なのに、たどたどしい英語の会話の言外に伝わってくる、わびしくて孤独でどうしようもない人生の思いを、互いに理解することで、彼らの心に小さな灯がともったらしいのを、そっと見届ける、そんな映画だった。

 

ほんとになにも起きない、しずかな映画だったけど、長くて心に残りそうな気がする。

 

それにしても、イスラエルの風景は、どこもあんなに殺風景なのだろうか。Googleストリートビューでも、石と荒地が多く目につく。映画の中で、エジプトの恋愛映画がよくテレビ放映されていて、家族みんなで夢中で見ていたという、登場人物のエピソードがあった。イスラエルとエジプトの関係というと、モーセ出エジプトを真っ先に思い出してしまうけど、現代の関係はよくわからない。

 

他にも見られるイスラエルの映画がないか、探してみよう。