健康観察第二部
午前中は通院。
帰宅してお昼食べたら疲れが出たので、そのまま横になって休息。
猛烈な眠気が押し寄せてきたけど、睡眠には至らず。
夕方まで休息したものの、だんだん疲労の圧迫感が上がってきて、気分がつらくなったので、夕食後に「頓服」的に出してもらっている処方薬(最弱クラスの安定剤)を服用。そのうち効いてくるだろう。
のどが頻繁に乾く。
動悸も少し。
動けるうちに、飲み物取ってこよう。
Kindleでマンガ読んだ
Amazonの読み放題(Kindle Unlimited)のリストにあったマンガから選んだ一冊。
桜沢エリカ作品は、あまり読んだことがなかった。
同じ時期(80年代?)によく見かけた、岡崎京子、原律子の作品は、結構たくさん読んでいたのに、桜沢作品だけは、なんとなく選ばなかった。
なんで読まなかったのか、いまとなってはその理由も思い出せないけれども、絵の雰囲気に、自分が近寄りがたいオシャレな感じがしたからかもしれない。
それがただの先入観なのは、上の作品、「世界の終わりには君と一緒に」を読み始めて、すぐに分かった。
なんかもう、ひどい(←語彙力貧困)。
主人公も、その周囲の人々も、語られている出来事も。
ただ流されて自堕落に生き続ける主人公のケイジ。
享楽的で責任感がないから、仕事は続かず生活もボロボロ。
人のお金を持ち逃げして競馬につぎ込み、行きずりの女性のヒモになって暮らしている。
あんまりろくでもないので、序盤で読むのをやめようかと思ったけれども、なんとなく気になったのは、ケイジの生命力というか精神力のしたたかさである。
どうしようもない人間なのに、何があっても完全に折れてしまうことがない。
自堕落なりに、世間と関わって暮らしているし、いい加減でろくでもない人柄丸ごと愛されて、慕われることすらある。
けれども、慕って寄り添う人たちを守れるほどには、強くもない。
ケイジの近くで、二人が死に、一人が死にかけた。
三人とも、ケイジが直接傷つけたわけではないけれど、ケイジを信じて慕ったり、ケイジを災厄から守ろうなどと考えなければ、そんなことにはならなかった。
そうした出来事が、ケイジをますますろくでもない根無し草にしたのかどうかは分からないまま、物語は終ってしまう。
ケイジが本気で好きになった女性が、ケイジに愛想を尽かして、ジャマイカに渡航してしまうと知らされたとき、ケイジはつぶやく。
「みんなオレから離れてく どーしてかなあ」
どーしてもこーしても、周囲に人を生かすことのできないような生き方をしているのだから、当然なのだけれども、本人にはそれが分からない。
彼は、世界の終わりを共にするたった一人の大切な人に、出会うことがあるのだろうか。
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「世界の終わりには君と一緒に」は、1990年から1991年にかけて「コミック・ギガ」(主婦と生活社)で発表された作品だという。
ケイジを見捨ててジャマイカに行こうとしていた女性は、ジャマイカのコーヒー園でブルーマウンテンを育てる企画に応募し、内定を貰ったようだった。彼女の見ているパンフレットには、
~の島で夢の木を育てよう!
ジャマイカ派遣募集
ブルーマウンテンコーヒー園 JCCコーヒー
とある。
JCCコーヒーは、たぶん、UCCコーヒーのことだろう。
私が学生のころ(1980年代)、大学構内の自販機のコーヒーといえば、大半がUCCコーヒーだったと記憶している。
1980年代から90年代にかけて、ジャマイカ派遣募集の企画のようなものが実在したのかどうかが気になって、ググってみたら、下のサイトが見つかった。
ジャマイカには、UCC珈琲の直営農場があるのだそうで、その農場経営に着手したのは、1981年だとのこと。最初に派遣された社員は三人だけで、その方々は、自然災害や現地農民のストライキなど、とんでもない艱難辛苦を経て、初出荷にこぎ着けたようだ。
もしもケイジが、漫画のラストシーンの競馬場でボロ儲けして、そのお金で自分もジャマイカに渡り、最愛の女性と一緒にトンデモない苦労をするなら、その後の人生は全く違ったものになるだろうけれど、それは想像するしかない。
出来ることなら、ケイジがいつか世界の終わりに一緒にいられる人を見つけられるところまで、読んでみたかった。